中学生の時、晴れの日は自転車で、雨の日はバスで学校に通っていた。

私が乗ってたバスの行き先の一つに障害者の支援施設みたいなのがあったらしく、よく乗り合わせることがあったが特に気にしてなかった。

ある雨の日に学校帰りにバスに乗った。

私は真ん中辺りに座ったんだけど、一番前に座っていた30~40歳くらいの障害者の人が何度も振り返り見つめてきて、目が合うと「ああー!」「うー!」など唸ってきた。

なんで見られてるのかも、何を言ってるのかも分からなくて怖かったので、気づかないふりをして窓の外をみてやり過ごした。

最寄りのバス停が終着駅で、その人も降りるところが一緒だった。

なんだか嫌な予感がしたので、その人が前の扉から降りるのを確認してから私も降りた。

そしたら扉の所にいた。待ってた。

わたしをガン見していてなにか唸ってきた。

唖然としてると手を掴み歩きだした。

団地の駐車場辺りまで連れてかれてたところで、手を振りほどいて逃げた。

遠回りして実家に帰ったあと、母に一部始終を話したら笑われた。

近所の障害者夫婦の間の息子で、結構有名な一家だったらしい。

何がしたかったのかわからなくて怖かった。