当時結構騒ぎになったのでフェイク有で書きます

「お前が男だったら殴ってた」が口癖の男上司(既婚)がいた。

男社員には無茶な根性論を振りかざすパワハラ、女社員には目尻を下げセクハラというテンプレ腫れ物社員といった感じ。

私は嫌なことは嫌とハッキリ言うタイプだったので、触られそうになったら「やめてください」

二人でデートしようという誘いにも「いや、結構です」

飲み会でどうしても食べられない食べ物を(事前に言ったにも関わらず)注文され、無理に食べさせられそうになった時も「本当にダメなのでやめてください」

といった風に、嫌なことをキッパリ断ったりして機嫌を損ねると上記の口癖を言われる…といった感じの日常(?)だった。


そんな中、その上司が幹事を務めた忘年会で事件が起きた。

上司は事前に社員に「どんな店で忘年会をしたいか」というアンケートを取っていたのだが、

私が「アレルギーなので甲殻類メインのところ以外でお願いします」と回答したにも関わらず、忘年会の会場は「カニ料理専門店」になっていた。

開催日前日に店を知らされたのと、飲み会自体は会社持ちだがキャンセル代は自己負担だと知らされたので、食べられそうなサイドメニューを食べつつ足りなければ二次会で補うか、と考えて参加することになった。

この時点で上司の考えが読み取れてしまい、私の気分は最悪モードに(同僚に心配される始末だった)。


忘年会当日、カニ鍋やカニ脚といったメイン料理に手を付けず、ポテトや漬物ばかりかじっている私に案の定上司が絡んできた。

上司は同僚と後輩と私の三人で会話していたところに乱入しては「なんだぁ~?全然食べてねーじゃねーか!!」と捲し立て始めた。

「私アレルギーって書きましたよ」と言っても「食べないなんて勿体ないと思わないのか!?」と斜め上の返答。

「好き嫌いではなく食べられないんです、最悪死ぬので」と少しオーバーな表現で返すと、

上司は「あ~あ、そんなこと言っていいの?お前が男だったら殴ってるよw」と得意の口癖で返してきた。傍らの同僚と後輩はアワアワ状態。

ちなみに上司は一滴もアルコールが飲めない体質なので、酔った勢いでの執拗な絡みではなくテンションの高い時はこれがデフォ。

いくら丁寧に説明しようとしても聞く耳を持たないばかりか、こちらの話を遮ってはズレた持論を展開してくる上司にいい加減イラついてしまい、

もう数回目の「お前が男だったら殴ってた」を言われたところで「そんなに殴りたいんだったら殴ったらいいんじゃないですか?」と返した数秒後に全力のグーパンで顔面を殴られた。

リアルに「ボカン!!!!」といった感じの効果音がついてたと思う。

殴られたその勢いで壁と床に頭を強打してそのまま意識がなくなった。

気を失う直前に聞いたのは「アッハハハ!!見ろよ!!!」という上司の楽しそうな声と後輩の悲鳴。


結果的に殴られた側の頬が数日間腫れあがったり頭蓋骨にヒビが入ってたり、口の中の切れてた箇所が口内炎になったりで大変だったんだけど、目を覚ましたら病院だったというシチュエーションが初めてだったのでちょっと入院生活を楽しんでいたりもした。

職場復帰時期が近付くと「同僚とか後輩とかに心配かけちゃったなー」という気持ちと「また上司にこのことネタにされ続けるんだろうなー」という気持ちがないまぜになっていた。

「でも殴れって言ったの自分だしなー」と割り切りつつ久々に出社し、事務所に入ろうとした途端もの凄い勢いで女の人が出てきて頭を下げられた。

「え、何事?」と思っていたら女の人は上司の奥さんだった。

私の復帰日に合わせて上司のグーパン殴打の件で謝りに来たらしい。

「いや、殴れって言ったの自分なんで…」と言ったのだが、奥さんは泣きながら何度も頭を下げてきた。

どうやらグーパン事件の後色々あって例の上司はクビになったらしい。

同僚から聞いた話によると、私を倒した上司は「ついにやってやった」みたいなことを言って誇らしげにしていたところで支店長から平手打ち

その後他の男の上司数人、更には年下の男の後輩社員にまで取り押さえられ、救急車とパトカーで店はてんやわんや

更に悲鳴を上げていた後輩はPTSDを発症してしまい私が入院してる間に退職していたりと、思った以上に修羅場になっていた。

ちなみに事の重大さに気づいた上司は見舞い品を持って一度私の病室に来ようとしたそうなのだが、私の父親に完全にビビってしまい(人相めっちゃ悪いだけの普通の父親)

見舞い品も置かずにとんぼ帰りしたところ、奥さんは号泣しながら情けないだのなんだのと捲し立てて上司を追い出し、そのまま離婚したそう。

私は顛末を聞くまで完全に自分が悪いと思っていたのだが、なんだか居づらくなってしまいグーパン事件から半年ほどでそこを退職した。(同僚や後輩とは今でも連絡を取り合ってる)

この話を知人にするとほぼ全員から「そりゃ殴った方が悪いよ!?」と言われるので、その度に「そうなのかぁ…」となる修羅場の話でした。