数年前の話。

ぼかすけど、大きめの企業の社内保育所で働いていた。

企業内保育所だから、保護者は全員そこの企業の人。

ただし大きい企業だから、部署や支店が違えば面識はない。

園長は独身アラサー男性で、残業も休日出勤もバリバリこなし、担任は持たないもののフリーで毎日どこかしらのクラスに保育に入る。

子供たちにも人気があったし、私達職員もいい上司だと思っていた。

ある日、ある保護者からクレーム。

同じクラスに二人同名がいたので、仮名だけどさとけん、やまけんみたいに名字と名前を合体させたあだ名で呼んでいたことに対するクレーム。

ちゃんと名前で呼んでほしいとのことだったんだけど、佐藤健太、山田健太なので健太くんでは被るし、健ちゃん、けんけん、けんくんなどのあだ名はすでに健太郎、健一、健介がいるので難しい。

園長が謝ったり話をしたりで結局佐藤健太くん呼びになったんだけど、そこからその保護者は園長を目の敵にし始めた。

独身小梨だから親の気持ちがわからない、しかもこの中で一番若いのに責任者をやっているのはなぜ?責任者としてふさわしくない、責任者は子供がいる人にしてほしいと言われ続けた。


そこで、じゃあ責任者私がしますと名乗り出たのが、四人子供がいる40代ベテラン保育士。

一番下は一歳で、佐藤健太くんと同じ歳だから、気持ちわかりますよーときた。

大企業なので、保育園といえども社内的には一支店扱い、なので園長=支店長という感じ。

なので、エリアマネージャーに話がいき、結果、佐藤健太くん保護者限定で、そのベテランさんが責任者ということになった。

最初は喜んでいた保護者だったが、段々不満げ。

なぜなら、ベテランさん、子供の病気や学校行事で休むことも多いし、そもそも9時から16時勤務だからその保護者が送りのときも迎えのときも園にいない。

そこに対してクレームがきたから、

「子供が熱出して保育園から電話がきたんです、お母さんもわかりますよね?」

「子供の家庭訪問なんです、お母さんもわかりますよね?」で返し続けた。

いつも園にいない責任者なんてと言われたので、「だから小さな子供のいる私達ではなく、独身男性の前任者が責任者をしていたんです」とずばっと返していた。

いろいろと神経わからん保護者だったけど、一番神経わからなかったのは、自分の夫の勤めている会社が母体なのにそこまで言えることと、そしてさらに結局一歳から5歳の卒園までずっとクレームを言いつつも通ったこと。

すごい。