もう10年以上も前の事なんだけど、夫の祖父の葬儀が衝撃的だった。

私は県外から県庁所在地の現住所に嫁ぎ、祖父の家はそこから一番離れた県内でも田舎の方。

祖父の家は昔ながらの広い家なんだけど、襖いくつもぶち抜いて葬儀の場に。めちゃくちゃ広くなった。

祭壇が芸能人かという位ゴージャス&デカイ。

それだけでもびっくりしたんだけど、お坊さんが五人位来た。

メイン坊さんと思われる人(袈裟が違う)を中心に全員で読経。

途中、メイン坊さん以外の坊さんが読経しながら、祭壇の裏を回り会場内をグルグル何周も回り出す。

びっくりして涙引っ込んだ。

読経の間、前から容器が回ってきてそれにお布施を入れなきゃならない(小銭でオッケー)

読経が長く「10分挟んで後半の部行います」と休憩が入ったのもびびった。

後半の部でも容器が回ってきて、また小銭を入れなきゃならない。どんだけ取るんだ。

通夜と告別式も初七日も、読経の度に容器が来るから最終的には凄い額になってるんじゃないかと思う。

お焼香も、普通?のお焼香の他に、ニンジン・茄子・キュウリ(だったかな)のみじん切りと、てんこ盛りのご飯(お札刺さってる)と水と小枝が用意されていて、色々やんなきゃならない。

記憶がちょっと曖昧なんだけど、ご飯はどこかに取り分けて、みじん切りを水の中に入れて小枝でかき回す…だったかな?

手順がややこしいの。葬儀始まる前にレクチャーあったんだけど、皆度忘れして間違える人続出。義父(祖父の息子)も間違えてたし。

本当にびっくりし通しだった。

祖父にはお世話になってて、悲しかったんだけど「あれやらなきゃこれやらなきゃ」で緊張したし、内容にびっくりしたし、長い読経で疲れてしまって、泣く暇なかった。

もしかして、泣かせない為にこんな複雑にしてるのかと思う位。

聞くと、この地域の伝統的な葬儀なんだそうが、お金かかるし(坊さん×5だし)、手間かかるしで今はこんな葬儀をする人は少なくなってるそう。

皆セレモニー会館とかで普通の葬儀になってきてるって。

祖父はここで生まれ育ったから、この家で、ああいう風に送り出してあげたかったって
祖母が言ってた。

いわゆる普通の葬儀しか知らなかった私には衝撃的だった。