中学生の時にいじめられてた。

地味でどんくさくて成績もパッとしない転校生だったので虐めやすかったんだと思う

それ自体は今あるような、大けがをしたりお金を取られたりとか大変なものでなく、

悪口言われると集団で指さしながらpgrされるとかすれ違う時にぶつかって来るとか、まあ一つ一つは我慢できないようなものではなかった。

ただ毎日何度もやられると結構きついし、仲良くなりかけた子も巻き添えを恐れて離れて行ってしまったりしたのもつらかった。

そんな中Aとはいつも一緒にいた。

Aも地味でどんくさくて成績もパッとせず、他に友達がいなかった。

しかしいじめられているわけではなかったので、上から目線に「可哀想だから付き合ってあげてるんだよ?」「私がいなかったら他に友達いないんだよ?」「友達でいてあげてること感謝してよ?」といつも言っていた。

そして「肩凝ったから揉んでよ」「パン買うのついてってあげるから1個奢って」「そのおかず私の好きな奴だしくれるよね?」と搾取され続けた。

まだ中学生でぼっちになる勇気も持てなかったので嫌だったけど一緒にいた。


卒業後はその中学から8割ぐらいが進学する平凡な高校に必死で受験勉強してなんとか滑り込めた。

いじめグループは底辺女子高に行った。

Aは私と同じぐらいの成績だったけど「どうせ入れるわけない」と勉強せず、底辺女子高すら落ちて、名前さえ書けば入れるような高専に入った。

高校ではいじめられることはなかったけど、仲良くなりかけた子に手のひら返されたりAに搾取されてたり、級友にいい思い出がなかったのでぼっちを貫いた。

Aとの付き合いはなぜか続いていた。


時は過ぎて私は短大に進学、就活失敗でフリーターに。

Aもそのまま高専から専門に上がり、やはり就活失敗してフリーターに。

私は30までには何とか正社員の口を見つけたいと思い社員登用ありのアルバイト先を探し、Aは「どうせ自分にできることなんてないし」と工場のパートに就いた。

この頃はほとんど会うこともなかったが年賀状などで近況は知れた。

疎遠になったのは正社員を目指してバイト先を決めた私に対し「そんなものなれるはずないのにそんな安い給料でよく働けるよね」と笑われたから。

ここの所忘れていた中学時代の嫌な気持ちがよみがえり始めた。


その後私はバイト先での経験を活かし、同業界別職種の正社員になった。

Aはその頃デパートのテナントで売り子をしていた。

ちょっと黒い気持ちで年賀状に正社員になったことを書くと、翌年からそれまで欠かさず来ていた年賀状が来なくなった。

「年賀状来なかったからちょっと心配してきて見たよ」という体を装いAのバイト先に行ってみた。

「帰りにちょっとお茶しようよ」と連れ出すと今の職場の愚痴をマシンガントークのように聞かされた。

店自体は暇だけどワンオペだからトイレにも行けない、観光地のデパートだから外国人が当たり前のように英語で話しかけてくる、等々。

こちらの近況も話すに話したが、英語を習い始めたと言ったら「そんなものできるようになるわけないじゃんw」

職場の飲み会が頻繁にあると言えば「そういやデブったねwww」と嘲笑してくる。

中学生の時のまんまだった。

だからAからの年賀状が来なくなっても毎年年賀状にリア充な近況報告を書きつづって送っている。

気が向いたら「毎日をハッピーに暮らす本」みたいなのをプレゼントしてる。

ここ最近は思いだすことも稀になってきたんだけど、年賀状を書くとなると今年の素敵な出来事リストを作って送らなきゃなあ、と思う。

中学の時いじめた奴のことなんかもう覚えてないのに、我ながら執念深いと思う。