フェイクは入っている

その出産のとき、私は初めてではなくて、予定帝王切開で手術日が決まってた。

横のベッドの人(Aさん)は私よりも年上で初産、優しそうな旦那さんが毎日見舞いに来てくれてて何くれとなく奥さんの世話を焼き私たち同室の人に愛想もよく待ちに待ったお子さんの話を嬉しそうにしてて、いいご夫婦で羨ましかった。

うちの長女にも親切で、おなかの子が女の子らしいということもあり、

「うちの子もこんなに可愛いよい子になってくれるかしら?」

なんて言われてとても仲良くなっていた。

手術日、昨晩から断食して準備し、

「頑張ってね!」

と言ってくれた奥様に手を振って手術室に入った。

おなかをぐにぐにされて無事出産、そのまま麻酔効果で眠った。

目を覚ましたときはNSの横の処置室で、そこで一日過ごし、翌日から母子同室に移される予定だった。

その晩、横の病室がばたばたとあわただしくなった。

しかし自分は産後と言うこともあり大変眠く、誰かが産気づいたかなぁ頑張れ、とのんきに思ってまた寝た。

次に目を覚ましたのは明け方くらい。

横のベッドからの声に気付いて目が覚めたのだとすぐに解った。

誰かがすすり泣いてる…

細かな嗚咽の間に入る呪詛(言ってる本人への)、赤ちゃんへの侘びなどから「そういうこと」だと気付き、麻酔の残る腰が痛くてたまらなかったが寝返りも打てず、鬱々と3-4時間過ごした。

そのうちに泣いてるその人がAさんだとわかり、何ともいえない気持ちのまま眠れもできずに朝を迎えた。

このときが第一の修羅場。

朝になっても仕切りのカーテンは開けられず、かといって横からは物音もしない。

寝息が聞こえる訳でもなく大丈夫だろうかとドキドキしてると、A旦那がやってきた。

旦那さんにすがりついて泣き出すAさん。

一緒に泣いてなだめるA旦那。

マジいたたまれない誰かタスケテクレ…

と思ってたら赤来たよ!

「オパイの時間ですよ~」

って看護師空気嫁!

「うわぁぁぁあああっ」

とAさんが号泣しだして、看護師は手違いに気付き、慌てて私を別の病室に移した。

このときが第二の修羅場。

病室を移ろうというそのとき、A旦那が私のところに来た。

そして私の目の前で

「何て無神経なことをするんだ」

と看護師に怒り、

「この詫びにこちら(私)のお子さんをうちの子と言うことで処理してもらいたい」

と言い出し、目玉がポーンしたのが第三の修羅場。

Aさんは今は2児の母になっている。

A旦那は私に会うたびに土下座の勢いで詫びてくれる。

2人ともうちの子たちを自分の子みたいに可愛がってくれ、子供たちも仲がいい。

家族みたいに付き合ってる。

無事にお下がりが済んだのでカキコ。書き込みの許可は貰ってます。