マンションで部屋に入らずエントランスで過ごしている女の子がいた。

夜遅くまでいるのでマンション住人がかわいそうに思い管理会社へ連絡。

女児は小2で親は飲食店を営んでおり、留守。

家族と一緒でないと部屋には入れない。

鍵は持たせてもらえず、開けてもらうと親に怒られるからやめてと。

給食以外ご飯もなく、たまに学校の先生からおにぎりをもらっていた。

よく見ると、着ている服も黒ずんでいて洗濯もしてもらえてなかった。

こりゃあかんと親の店へ連絡すると忙しい時間帯なのにと怒りつつも父親がしぶしぶやってきた。

両親は連れ子同士の再婚で、女児は父親の連れ子だった。

母親には十代の娘が二人いて女児以外は全員その店で働いていた。

家族は店で食事していたが、働けない女児を店に入れることはなかった。

女児を部屋に一人にすると冷蔵庫をあさったり、汚すので深夜仕事を終えた家族と一緒に部屋に戻っていた。

しつけはするが暴力はしてない。

他人の家庭に口出すなと怒鳴られたそう。

マンション住人によると女児は家庭内で汚いもの扱いされ罵声が鳴り響いていたらしい。

事情を知ったマンション大家が地域の民生委員と児童相談所、学校、市役所や交番へ何度か足を運んで相談、先生やマンション住人からも証言してもらった。

時間はかかったが、窓口も真摯に対応してくれたので、女児は父方祖母に引き取られて女児家族は引越した。

女児親の店は某大手メーカーの独身寮に近くて繁盛していた。

かわいかった娘達は彼らにアイドル扱いされ大人気だった。

地方掲示板にスレが立ち、毎日違う人と出歩いていたのも目撃した。

ところが店は潰れた。

きつい性分の家族は客や周囲とトラブルが絶えず、警察沙汰もたびたびで客足が遠のき、閉店。

娘二人は出来婚したが相手は親子ほど年の離れていた。

独身寮の友人によると、どこからか事情が知れ渡り修羅の家と噂されていたそう。

女児は大学生となり、当時の関係者へ礼状が届いた。

どうか幸せになってほしい。