昨日、駅前にある人気のパン屋にカレーパンを買いにいった。

店内はそこそこ混雑していて、カレーパンがある場所には40代くらいの女性(以下A)がいた。

見た目はごく普通。

その後ろに私が並び、更に私の後ろに女子高生二人。

ここのカレーパンは美味しくて結構有名。

部活帰りらしい女子高生二人は「カレーパン♪」と楽しそう。

Aはその女子高生二人を振り向いてチラッと見てから、トングでカレーパンを取った。

トレーにあった6個全部。

え…ってなる私達。

ゆっくりした仕草でチラチラ女子高生を見ながら全部取った。

苛ついたけど、そういう事もあるしまあ仕方ない。


Aはそのままお会計の列へ。

一部始終見ていた店員さんが

「すぐ揚げたてお持ちしますよ!」

と言って、私と女子高生は揚げたてのカレーパンゲット。

それを見ていたAが店員に

「揚げたてがあるなら自分の物もそれに変えて欲しい」

と言い出した。

店員さんが

「もう袋に詰めてしまったし不良品ではないから出来ません」

と断るとAは

「これは子供が食べる物なんですが。良いものを食べさせてやりたいと思うのは悪い事ですか」

と言う。

店員さんはとにかく出来ませんしそちらも十分作りたてですよ、と言い、店内の客も注目しだして微妙な空気に。



Aは無言で店から出て行った。

そして店先のベンチでカレーパンをほおばる女子高生に

「自分さえ良ければそれで良いって言うのが今の世の中ね。絶対に間違ってる。浅ましい。」

と言った。

女子高生は

「揚げたて買ったって家につく頃には冷めてますよ、おばさん」

するとAは店先に止めていた自分(A)の自転車を引き出しながらその自転車を女子高生にぶつけようとした。わざとらしく。

座っている女子高生にむかって自転車を倒したって感じかな。

しかし女子高生は避けて、Aの自転車は明後日の方向に倒れ、自転車の前かごに入っていたカレーパンが放り出されて下敷きになった。

あ、あ~ というAと、それを見て笑いを噛みころしている女子高生。

Aは店内に戻って、新しいカレーパンくれと店員に詰め寄る。

女子高生が自分に因縁付けてカレーパンを潰した!と言ってる。

店員さんは

「ここから全部見えていましたし聞こえてましたよ」

と言ってその後はAを無視。

Aは「やってらんない!」と叫びながら帰っていった。

昔話みたいだな~と思って一部始終見ていた。

それにしてもAには私の姿は全く見えていないようだった。

真後ろで揚げたてカレーパン買って店先で食べていたのに私には一瞥もくれなかったよ。

ちょっと悲しいな~。