結構、前の話。

兄経営の会社は、託児所がある中小企業。

それを聞きつけた、障害児M子ちゃん(♀5)を持つシンママLさんが託児依頼に来た。

町内会の役員のOさんも一緒に。

そして、Oさんが、他の子の面倒をみているついでで大丈夫だから、是非Lさんを助けてやってほしい、って言っている。

で、兄、お局総務部長、Lさん、Oさんで話し合い。

Lさんの言い分としては、

・平日、フルタイムでパートをしていて、その間、M子ちゃんを預かってほしい

・元旦那は失踪していて生活費も養育費も払ってくれない

・前に預かってもらっていた施設はトラブルを起こして退所した

・兄の会社は、地域のイベントのスポンサー活動に非常に前向き(社是の一つが地域貢献)

・祭りとか学園祭とか、スポンサーに、必ず名前がでている

・託児所は朝から夜遅くまで開いている

・託児所専門の人を雇っている

・会社としては一銭の追加コストもかからず、地域貢献ができる

・誰も何の損もせずに、得しかない!

お局としては

「ダメに決まってんじゃねえか!」

と思っていたらしいのだが、兄の回答は意外にも、、、

「非常にお困りのようですね、私のほうでもできる限りのお手伝いをさせて頂きます」

Lさん満面の笑みで、

「よかった、ありがとうございます」

(兄)ただ、月曜から金曜の朝から晩まで預かる、何かあったら責任はうちが取る、というのは難しい。
うちとしては、お手伝いする気も場所も手もあるが、まず問題なくお手伝いできる環境を先に作ってほしい。
ご近所で暖かくLさんを支援する、しっかりとして仕組みをまず作って頂き、その中の一メンバーとして、できる限りのお手伝いを精一杯させて頂きたいと思います。(深々とお辞儀)

(Lさん)
何かあっても責任を取れ!なんて言い出しません!

(兄)いえ、そういう事を言っているのではないのですよ。
Lさんが責任問題を言い出すな、と言っているのではなく、何か私たちが預かっていて、問題が発生した時に私たちの代わりに責任を取ってくれる人をきちんと作ってくれ、と言っています。

(兄)医療の知識も経験もない私たちが、大切なM子ちゃんをお預かりするわけですから、何かの問題が発生する可能性は無いとは言い切れません。
その場合に、Lさんは私たちを責めない、とおっしゃいますが、当然怒りを感じると思いますし、怒りの矛先がどこかに向けられると思います。母親として当然です。
その時に怒りの矛先を向ける対象をきちんと作ってほしい。
それが私たちでは困ります。

(Oさん)
環境って何さ?

(兄)それは知りません。
が、例えばですが、弊社としては、月水金の10~16時まで預るとす
るじゃないですか?
10時になると誰かが涼子ちゃんを弊社まで届けてくれるのか。それとも弊社が迎えに行くのか。
この迎えの人が来なかったらどうするのか。急用ができたらどうするのか。
こういったボランティアの方が働けるためのルール・プロセスが必要ですよね?
この仕組みを作る事と、それとは別に運営する人が必要じゃないですかね?

(Oさん)
言ってくれればそのように全部そのようにするさ!
な、Lさん?

(兄)いや、そういう事ではなくて、例えば、町で公式に「M子ちゃんを支援する会」を作って下さい。
会長を始め、運営する人を決めてください。その人を中心にルールとプロセスを決めてください。
その後、初めて、私どもが、大切なM子ちゃんに対して、ボランティアの一人として、尽力させて頂きます。(深々とお辞儀)

ここで、町内会役員Oさんが急に大声で怒鳴り始めた。

(Oさん)
あんた、細かい事をガタガタ言っているけど、託児所があんだろ?
子供世話する人雇ってんだろ?
その上で、たくさんの子供を預かってんだろ?
そこにM子ちゃんを置いておくことぐらい、別になんてことないじゃねえか?
大きい子供もいるようだし、その子たちにM子ちゃんの面倒を見させりゃいいじゃねえか?
そんな簡単な事すらやろうとしないのか?
ケツの穴の小せえ野郎だな。
気持ちよく、「任せとけ」と、預かってやりゃあいいじゃねえか。
そんな感じだと、このご近所じゃ会社やってけなくなっちまうぞ?
それでもいいのか?


すると、いつの間にか参加されていたOさんの奥様が、いきなりガラスの灰皿を持ってOさんの頬にパンチ。

ガキッっと大きな音がして、うめき声とともにうずくまるOさん。

(O奥様)
こちらに失礼な事を言って、ここに住めなくなるのはうちの方じゃ!!!
何勘違いしてんだ!!
さっきから聞いてりゃ、てめえは何一つできないくせに言いたい放題いいやがって!!!!
てめえの器量でてめえがやりやがれ!

(O奥様)
どうもOの無礼の数々申し訳ございませんでした。。。
うちはこれで失礼します。
また後日、謝罪に参ります。。。。

そして、O奥様はOさんを連れて帰って行きました。

あーこれで一件落着、と思いきや、

(Lさん)
あーびっくりした。
なんかOさん痛そうでしたね★
じゃあ、来週からお願いしますね★朝連れてきますので★

って、天然全開。
お前も話ずっと聞いていただろ。。。。
なんでそういう結論になるんだ!

が、ここでお局、シレっとした顔で、

(お局)
私どもでは預かれません!
が、さきほど、O奥様が言っていた通り、O様が責任を持って預かってくれるようですよ?
だから大丈夫!(しっかりLさんの手を握る)

(Lさん)
そ~お?★

(お局)
はい♪繰り返すと、
(1)私どもでは預かれない
(2)Oさんが責任を持って預かってくれる
(3)Oさんが公式な支援体勢を作る、
ということです。
その公式なものが出来上がった後で、私どもは参加させて頂きますね!

(Lさん)
あーそうなんだーよかった★

さすが海千山千の猛者、総務部長、「こちらでは無理」「Oさんの責任」「公式」を連発。

完全に天然Lさんの脳内に刷り込みました。


でやっと、この場はお開きに。

後日、O奥様が兄のところに謝罪に来られましたが、Oさんは頬を骨折したらしい。

若いシンママのLさんにいい顔をしたくて、兄の所に託児をネジこんだってって事でした。

いろんな意味でO奥様はムカついたんだろうな~

また、公式な「M子ちゃんを支援する会」なぞはできるはずもなく・・・・

兄&会社としては、障害者を差別するつもりはないけど、がっつり100%寄りかかるつもりで来られても受け入れる事は無理だよなあ。。。

というか、役所に行けば、生活保護とかそういったたぐいの支援があると思うんだけど。

尚、名称等に一部フェイクが入っております。

ご聴講、ありがとうございました。