夫は一人っ子で両親は鬼籍。

義実家で夫の祖母が一人暮らしをしていた時の話。

仕事のため祖母と離れて住んでいた私たちは祖母に変わったことがないか、週一のペースで様子を見に行っていた。

そして話は変わりますが…

祖母の甥(弟の息子)は遠距離他県で成長・結婚していた。

祖母と甥夫婦はお互い年賀状も何の連絡もとっていなかった。

ところがあるときから急に、義実家に祖母の生活の様子を伺うような電話をしてくるようになったしかも甥ではなく、甥の嫁が。

掛けてくるときは平日の夜なので、当然祖母が一人で対応していた。

ある日、祖母が

「甥夫婦が義実家に遊びに来ると言っていた」

と言い出した。

その話を聞いていたときに鳴る電話。

電話の相手は甥の嫁!

最近になって急に電話を複数回掛けてきた、ほとんど祖母と面識のないはずの甥夫婦が遊びに来る。

(しかも墓参りを名目としているのに、墓がある本家には一度も連絡をせず他の家に嫁いだ祖母の家に来るという)

ということで不審に思っていた私は電話に聞き耳を立てていた。

そして不信感が確信に変わるような会話が…

甥の嫁「おばさんは一人暮らしなの?」

祖母が「一人」

と言った瞬間、危険を感じて電話を受け取り

私「一人暮らしじゃないですよー。孫夫婦が一緒に住んでますおばあちゃん最近耳が聞こえにくいみたいなのでー(本当だが)」

とフォローし、祖母に再び電話交代。

結局次週の土曜日に遊びに来ると言っていたようだった。

夫と私は、祖母が高齢なことをいいことに返す当てのない借金申し込みに来るつもりではないのだろうか?と警戒することにした。

そして当日私たち夫婦も当然同席し、甥夫婦をもてなした。

不思議なことに甥は来たときからほとんど話すことはなく、甥の嫁が一方的に話すだけだった。

話の内容は当たり障りのないことだったけど空気がおかしく、いつ借金の話を出されるのかヒヤヒヤしていた。

話の中では、本家の墓に参りたいけどまだ連絡を取っていないことも言っていた。

結局、甥の嫁だけがハイテンションなまま歓談は終わった。

そして、本家には顔を出さず、お墓だけ参ると言い最後になぜか玄関の前で皆で記念撮影し、車で去っていった。

その後実際墓参りをしたのかは不明。

それからは恐らく祖母に電話がかかってくることもないまま、認知症の症状が少し出るようになった祖母は、自身の希望によりケアハウスに移り住むことになった。

記念写真も送られず仕舞い。

夫は甥とまったく面識なし、祖母も高齢なこともあって面識があるようなないような、よくわからない状態。

後から考えると、甥の借金申し込みどころか本当は甥ではなく、寸借(?)詐欺未遂だったのではなかったのか?

と冷や汗…