高校の時の話。

私が通ってたのは県内で最下位の

「名前をひらがなでも間違いなく書ければ合格☆」

なバカ高校だった。

バカ校でも卒業時には資格習得出来るのが売りなので頭が良い子もいる。

なので、頭良いクラスとバカクラスに分けられてた。

私はもちろんバカクラス。

バカクラスは試験前に全科目、回答を書き込まれた試験問題を配られて

「これ暗記すれば100点とれるから!」

な状態にされてた。

そうでもしないとクラスの半数以上が赤点で進級できないから。

私は暗記は得意なのでいつもクラスの5位以内には入れてた。

2年になった頃に今まで真ん中くらいにいた子が常に全科目100点になった。

そいつをAとする。

暗記するだけだからそれはあり得る事なんだけど、彼女はカンニングだった。

カンニングなのに答案用紙返ってくる時に

「あちゃー!数学も100点だよー!見飽きちゃったなぁ~~」

ってアピールする。

バカクラスにオール100点が出るのが嬉しくて各教科担当も嬉しそう。

結果通知表は体育以外オール5に。

「やだー!オール5なんて~!もう~!賢いぞ☆カンニンちゃん(愛称にちゃん付け。ゆみ→ゆうみん→ゆうみんちゃんみたいな感じ)」

にちょっとヤンチャ系がキレた。

ちょっとヤンチャ系はカンニングはしない。

実力勝負で赤点取る。

でも反省も勉強もしない、何故ならちょっとヤンチャだから…。


まず教師がいるのに自習がデフォな教科でAに

「ここ教えてよ!」

とヤンチャ系で群がる。→教えれる訳ない。

黒板に試験問題書いて

「これの答え教えてよ!」→昨日試験だったけど答えられない。

と言うような

「全科目の答えを暗記してるのに1日たったら忘れてる」

事を教科に把握してもらう。

試験の時は出席番号順に座るんだけど1列の机の数を巧みにいじり、Aが教卓のまん前になるようにする。

ヤンチャ系が信頼する教師(曲がった事が大嫌い)に掛け合い試験監督を1名から5名に増やし、あらゆる角度に教師がいるようにし、1名は常に巡回。

机の上に筆記用具以外置かない事を徹底。筆箱もダメ。

机の中は空にする。

これらを徹底させた。


筆記用具以外机の上に置かないとか普通の学校じゃ当たり前なんだけど、うちの高校はフリーダムだった。

タオルや筆箱は普通、鏡やコスメポーチ出しっぱなしだった。

教卓の前、巡回してる教師、机の中は空、この状況でカンニング出来るはずもなく、Aは全科目赤点だった。

「巡回してる教師の足音がうるさくて集中できなかった。体調が悪かった」

って言い訳してたけど、学校中のバカクラスでこのスタイルを取られるようになって、(資格習得のために教師が多かった。試験監督は4名になった)Aは毎回赤点になった。

そうなるとA親からクレームがくる。

そりゃ今まで全科目100点、オール5だったのが全科目赤点になるんだからクレームもでるわな。

巡回する教師から威嚇される、教卓の前だから緊張するとかとにかく言い訳三昧のA。

3年になって初めての試験でAは一番後ろの席に。

私のとなりだったんだけど小さくガッツポーズしてた。

…が、試験監督が入ってきて愕然。

なんと試験監督+A母!!

「試験中うるさくて集中出来ないと娘が言うので見学させてもらいます!」

もう手が動かないA。

試験が終わってA母、Aに詰め寄る。

「なんで書かないの!あんた朝完璧に覚えた、後ろの席なら緊張しないのにって言ったでしょ!今回だけ後ろにしてもらったのよ!なんで書かないの!?いますぐこれ書きなさい!完璧に覚えてんでしょ!」

A母、毎回赤点になってからAはカンニングだったんじゃと疑うようになったそうだ。

でも娘を信じたい。

その旨伝えて学校に無理を承知で試験の見学を申し出て、当日試験用紙を1枚貰ったらしい。

Aは欠席が増えて2学期の半ばで退学した。

恥知らずの娘のせいで一時的にでも皆様が正当な評価を受けれない事になって申し訳ないとA母から菓子折りが後日教室に届いた。(一人1個あった)

ヤンチャ系は卒業までに半分に減ってしまったんだけど、ちゃんとした試験会場を作り上げた彼女達の武勇伝。