小学校の時、好きな男の子A君がいた。

A君はサッカー部のエースとか、目立ってモテるタイプではなくてA君を好きだったのは私くらいしかいなかったので、友達にも打ち明けていない秘密の片思いだった。

ある日5~6人でA君のマンションにファミコンやりに行くことになった。

A君宅で、お母さんにお菓子と牛乳を出された。

今思うと、この牛乳が古かった模様。


友人B子が青い顔でトイレに行って戻ってこない。

やっと戻ってきた頃、私もトイレに駆け込んだ。

腹痛に耐えながら用を足してホットしたのも束の間。

そう、紙がない。

当時はウォシュレットなども普及しておらずトイレ用消臭スプレーなんかも一般家庭には置いてない。

そして運悪くトイレットペーパーの予備もなかった。

B子のやつ、使いきって素知らぬ顔で戻ってきやがった。

私は絶体絶命のピンチ。


女友達の家なら、泣きながらペーパーを乞うがそこは好きな男の子の家。

ドアを開けて

「すみませーん」

と言えばA君かお母さんが飛んでくるので、できるわけもない。

独立した洗面台はなく、トイレのタンクの上部に流れる水で手を洗うタイプだったので手で拭くわけにもいかなかった。

ペーパー代わりになるのは自分の衣類しかない。

靴下は靴下を履いてないことを問い詰められたらアウト。

パニック状態で下した最終決断は、自分のパンツで拭くことだった。


お気に入りのパンツで泣きながら拭いてある程度キレイになった後、流れる水でお尻を水洗いして臭いも消した。

さて、このパンツ、流したら詰まる。

詰まって業者が来て迷惑をかけるわけにはいかない。

トイレには窓があり、開けてみるとマンションの駐車場が見えた。

私は証拠隠滅の為、●まみれの女児用パンツを9階からブン投げた。

上着を振り回して換気して臭いを消した。

そしてトイレから出て、お母さんに低姿勢に

「すみません、トイレットペーパー使い切ってしまいました」

と報告。

涼しい顔でみんなが待つ部屋に戻った。


当時の人生最大の修羅場だったのに好きな男の子の家でトイレを借りるという状況だったので短時間でスピーディーにこなして生還したのは、今思い返しても、なかなかGJだった。

その後ノーパンだったので、バレないように必死だったけど。

最後に、駐車場を掃除してくれた当時の管理人さん、この場をかりてごめんなさい。