10年強前の私の修羅場。

この事件があったため今の私があるだろうと思う事柄です。


当時私は大学生。夏休みの間だけバイトで塾の先生をしていました。

日差しがジリジリと照りつけるかなり暑い夏の日の午後。

バイトに行こうと外に出たところ、道端に小学生の女の子がいた。

女の子は一人でしゃがみ込み、じっと地面を見ている。

蟻でも見てるのかな?帽子かぶってないな・・日射病になっちゃうぞ、と思いながら通り過ぎて3分ほど歩いた所で忘れ物をした事を気が付いた。

めんどくさいなぁと思いながら小走りで来た道を戻り、角を曲がって自宅に面した通りに出ると、軽自動車の横で若い男性が先ほどの女の子を抱きかかえている所に遭遇。

目を閉じてグッタリした女の子と切羽詰まったお兄さんの表情を見て≪日射病!?≫と思った私は、≪救急車呼ぶ!?≫と軽くビックリしながら当時使っていたPHSを取り出そうとした。

すると男性は女の子を捨てるかの様に投げ、慌てて軽自動車に乗って走り去って行った。

私は女の子を受け止めようと崩れる様に抱きかかえ、ちょ!!なにーーー!?と男性を見送り、え?なんで?なんで??ひき逃げーーー??とパニック。

何が何だかわからず、混乱してその場で固まったしまった。

女の子を見ても私にはただ失神しているのか、命の危機にあるのかもわからない。

警察に電話し救急車も手配してもらい、警察が到着するまでMAXで修羅場。

「確か事故後は患者を無駄に動かしてはいけないはず!!」

と私の貧しい知識だけが頭を駆け回り、女の子を受け止めた時のまま無理な体勢でじっと待ち続けた。

結果、女の子は殴られた様でただ気絶していただけだった。

つまり私がはち合わせたのはまさに誘拐の瞬間。

あのまま私が戻ってこのなかったらこの子はどうなっていたのか?

あの男はこの子をどうするつもりだったのか?

男の緊張した様な顔は犯罪を犯している瞬間の人間の顔だったんだ・・と認識した瞬間が第2の修羅場。

この事件の後教員免許を取得、大学を卒業し先生になりました。

別に「子供達は私が守る!!」と奮い立ったワケではないけれど、この事件が子供達に関わる職業を選んだきっかけではある。

あの事件の時警察到着後、PHSの蓋の部分がない事に気が付き(ポロッと折れていた)、私の左手薬指は変な方向に曲がっており骨折、右足首は捻挫しており、興奮し過ぎて警察の方に貴女は怪我はありませんか?と聞かれるまで気が付かなかったのは、自分でもびっくりしました。(第3の修羅場?www)

現在、当時の女子小学生は大学に合格し教育学科を専攻している。

本当に何事も無く成長できてよかったと思う今日この頃です。

私も近々人の親になり、それが女の子であるらしいので、厄落しカキコ~。