フェイクありですが。

とある夫婦のお子さん、当時11歳がジサツを図り大騒ぎになった。

お子さんAちゃんはアスペルガー症候群の診断を受けていて、環境の変化でパニックを起こしたり言葉の裏側を捉えられず泣くこともしばしば。

お母さんはAちゃんに対して一生懸命だった。

専門医や支援センターの人と協力してAちゃんが生きづらくならないような環境を作っていた。

Aちゃんは発達障害を抱えてはいるが、勉強は非常に優秀だった。

習った事は何がなんでも習得しなければならないという「決まり事」に頭を支配されているので宿題もテストも完璧。


ある日、Aちゃんの父親が母親に他所様のお子さんとAちゃんを比較してAちゃんを貶すような発言をした。

人間関係構築の話だったと思う。

母親は、「Aは確かにその子に比べれば友達が出来にくいよ。だからと言ってアスペルガー症候群の子が健常児に何もかも劣っているわけではない。

Aは算数も国語もみんなより一歩先に出ている。これって凄いよね。

貴方はそこを無視してAの人間関係に文句ばかり言うよね。

健常児だって人間関係に失敗することだってあるよ。

だから私達親は健常児でも発達障害でも人生の先輩として助けてあげなきゃいけないの。
子供が立ち入りを許すところまで。」

と冷静に話した。

父親は不満げな顔で拗ね、ふて寝。


翌日の日曜日に母親が回覧板を置きに行っている最中に、父親がAちゃんに、「Aなんかしねばいいのに」と言ってしまった。Aちゃんは大発狂。

Aちゃんは何故シねば良いのかわからず、「なんで私が死ぬの!?なんで!?」とひたすら繰り返した。

Aちゃんは何も答えない父親にわけがわからなくなって、取り扱ってしねば事が解決すると思い込み、包丁を持ち出し腹に突き刺そうとしたところで母親帰宅。

母親は慌てて包丁を回収してAちゃんを抱きしめ落ち着かせた。

事の発端の父親を責め立てるが、どこ吹く風。

父親は結局、発達障害のAちゃんを疎ましく思っていたようて、今まではひたすら良父ぶりを演じていたが疲れたんだと。

母親は愕然としていた。

母親自身もそうだが、父親だって発達障害の子供を抱える親として人一倍苦労していると思っていたから父親へのいたわりも忘れなかった。

でも父親は「なにもかも俺に押し付けやがって」と言い放ってた。

結局夫婦は離婚することになったが、なぜか父親が親権を主張。

でもしっかり母親が親権を取ったよ。当たり前だけど。