交際してる時から夫は味の濃いものが好みってことは分かってたんだけど、結婚してからそれが想像以上のものだったと知った。

私が作る料理はとにかく味がないと言う。

「薄い」ならまだ分かるが「無い」と言われると「え?」と思う。

私は両親共働きで長女だったこともあって、料理はそれなりに作ってた。

ただ私の家が薄味だってことは自覚してたから、そう言われてからは料理本のレシピ通りの分量で味つけした。

それでも味が薄いと言われたので分量より少し多めで。

それでも薄いと言う。

でもあんまり濃くし過ぎると体に悪いから少しずつ薄味に慣らしてほしいと何度も喧嘩しながら説得して、なんとかレシピ通りの味付けでも食べるようになった。


結婚して一年経った頃に、夫の実家に帰省して、そこで初めて義母の料理を手伝った時のこと。(それまでは帰省しても外食だった)

油どばどば入れるし、砂糖わっさわっさ入れるし、醤油もみりんもジャバジャバ入れる。

大袈裟でなく、まさにそういう擬音がぴったりな入れ方。

そりゃあ味も濃いわけだ・・・。

おまけにそうやって出た料理、煮物にまでマヨネーズぶびぶびかけてる。

なにこれ・・・と衝撃だった。

そして台所の隅には籠に一杯の飲み薬。

「母」とか「父」とか籠を分けてある。

洗い物しながら義母に聞いたら、義母も義父も血圧が高いのと、義父は糖尿病の一歩手前だって笑いながら言ってたけど、それ笑いごとじゃないし。

義母曰く「でもお薬飲んでるから大丈夫(Vサイン付き」。

そして「食べたいもの我慢して長生きするより太く短くても好きなもの食べたい主義」なんだって。

太く短く生きてぽっくり逝ってくれるならいいけど、そうじゃないとこっちは地獄だ。

いやそれより夫には健康に長生きしてほしい。

どうにかして実家の味が好みに合わなくなるぐらいに、少しずつ少しずつ薄味好みに変えていかねば。