小さい頃から、実家の近くの年下の男の子の母親にずっとロックオンされてた。

自分は見た目は全くアレだったが、成績が女の子で一番よかったのと、祖母が厳しかったので素行もよく見えて、息子の嫁に!って妄想されてたらしい。

そこの息子は「勉強ができなくなるから」と塾以外の習い事(皆がやってた少年野球とか)は一切させてもらえず、「悪い友達がいるから」と外にもろくに出して貰えないもやしっ子だった。

接点といえば集団登校の時だけ。

人見知りがだったのか、口を利いてくれたことはほとんどない。

それなのに私はなぜか嫁認定だった。

その子は母親のルート通り医学部に無事入って、「卒業したら結婚させるわ!家の敷地内に開業させるわね!実家も近いから安心よね!」と脳内お花畑が完全に花開いて、

両親に「あの家の前通って帰らないほうがいい」と心配されるほどになった。


ところがしばらくして息子のターンが来た。

授業が忙しいから、と大学の近くにアパートを借り、サッカーサークルに入り、マネージャーの彼女が出来、ともやしっ子からリア充に。

アパートにおかずを届けに週4ペースで通っていた母親、彼女を連れて帰宅したところにばったり。

キレて「あなたは私子ちゃんと結婚するんでしょ!」と怒鳴ったら、当然逆ギレされて、「何でも母さんの言うとおりになると思うな!」と言われ、

初めて反抗された…とショックで馬鹿泣きしながら我が家に駆け込んできて、

「私子ちゃあああん、今すぐ結婚して!あんなわけのわからない女の子イヤ!」と私の部屋に凸してきた。

そして、部屋の壁に、買ったばかりのリクルートスーツが吊るしてあるのを見て、「私子ちゃんは結婚するんじゃなかったのおおおおおおお」とプッツン、脱力して座り込んでさらに大泣き。

慌ててあと追ってきた母親と、私はどうしていいか分からず立ち尽くす。

旦那さんを呼んで引き取ってもらうまでが修羅場でした。