先日大学に入った年に親父に勘当されて以来、実に二十年ぶりに実家に戻ったんだ。

理由は親父が若年性のアルツハイマーになってしまい、これからどうすればいいか、という話し合いのため特別に家呼ばれた。

一悶着あるんじゃないかと思ったが、話は簡単にまとまり、弟が両親の面倒を見る代わりに遺産をすべて貰うという事になった

で丁度母達が出かけて俺と親父だけになった

親父は昔から頭もよく趣味が読書だったんだが「勉強をしない奴は生きている理由はない」といって俺を勉強漬けにしたんだ

俺もそれほど馬鹿ではなかったんだが、テストで上位5位に入れなくてそのたびによく殴られた。

塾が終わった夜で俺が一生懸命勉強やっているのを監視するためにずっと後ろから監視をしていた事もあった。

親父に文句なんて言うもんならすぐにパンチが飛んでくるから、逆らうことも出来ずストレスばかり溜まった。

そんなもんだから目標にしていた大学の試験では、腹痛が酷くてまともに答案に答えを書くことさえ出来なかった。

でなんとか滑り止めの大学に入ったんだがそれが、気にくわなかったので俺をボコボコにした挙句勘当したんだ。


アレだけ勉強に拘っていた親父が今じゃ本すら読めない状態になるなんてひでぇなぁと思った。

で親父の目の前に本を置いて「この本好きだったんだろ?」といったら、親父は本を読もうともせず本と俺を交互にみるだけ。

俺は勉強ぐらい自分で出来るからストレス与えるんじゃねーよ!と言って親父と本気で喧嘩しとけば良かったわ。