なんかいろんな所読んで自分の事も書きたくなったので書く

今から20年以上前のまだネットもなく、また大学入試が今よりかなり難しかった頃の話

ひょっとしたら俺が同級生達の人生をちょっとだけ狂わせたかもしれない話

その頃俺は私立中学で落ちぶれて地元から遠くの底辺高校にいき、高校二年生あたりでその底辺高校のさらにカースト底辺になった

いわゆるパシリやカツアゲとかはなかったが充分にイジられ、クラスで何かがあったらとりあえず俺が悪い・とりあえず俺を叩けば全部解決みたいなポジではあった

そんな感じだから発生する面倒事や責任は全部押しつけられ、宿題や課題なんかも全部俺の仕事だった。皆は当日の朝にそれをただ写すだけだった

当然皆の成績は上がらなかったが高校なんて別に留年もなく、あまりにテストの成績の悪かった奴は教師に臨時宿題などを渡されたりもしいてたが、

提出〆切日の朝に「これを今すぐやれ」みたいに俺に渡せば俺が適当に仕上げるし、その出来が悪ければただ「やり直し」とさえ言えば俺がもっとマシな形に仕上げるから何の苦労もなかったようだ

ちなみになぜそんなギリギリに渡してきたかというとその時まで忘れていたかららしい

忘れていたというかまあめんどいしなんとかなるからギリギリまで放置したというのが正しいのだろう

底辺高校だからかどうかは知らないが俺の周囲の同級生はだいたいこんな感じだった


さてそんな高校生達にも三年生の夏休みが終わりそろそろ進路を考える季節になった

が底辺故に「自分の将来」という恐ろしいものについて誰も真面目には考えず、殆ど全員が「とりあえず知らんけど行ける大学に適当に行って公務員」とかだった

当然その「行ける適当な大学」を探すのは俺の仕事になった

俺は大学の行き方と各大学の入試方法を一通り調べる事になった

今ならネットでちょちょいと探せるのだろうが当時はかなりめんどくさく、また大学へのハードルが今より割と高い時代だったせいもあり

連中の「適当に入れる大学」「適当に一人暮らしできる大学」「公務員になれる大学」「適当に遊べる大学」「英語嫌いだから入試に英語がない大学」みたいな条件を全部探し出すのは容易ではなかった

とはいえ全ては俺の仕事だったから俺はまず大学入試について調べた

そもそも大学に行くにはまず書類に手に入れ書き手続きをしセンター試験を受ける必要があり、まずはその手続きの開始方法を調べて連中の前でそれを説明を始めた

その説明の途中で連中の一人が「お前、何調子に乗ってんだ?」と呟いた

意味が分からなくて一瞬混乱したがつまり連中にとっては「誰かに何かを教わる」という事自体がめんどくさく、

よりによってカースト底辺である「俺」が教えている、という構図がとても気に食わないものだったらしい

面倒な事は用意を含めて全て他人(俺)がやるものであり、その手段を俺が皆に教えるだなんて「調子に乗っている」という訳だった

それを聞いた俺は震えあがり、家に帰ってどうにか「調子に乗らず」に連中にこの情報を伝える方法はないかと頭をひねり…

…そこでやっと気付いた

あれ?別に放置でよくね?


翌日から俺は登校しなかった

俺は高校三年生が始まったあたりでイジられつつ高校の出席日を計算していた

高校には三分の二ほど出席すれば単位が認められる(卒業できる)学則があった

三年生はほぼ年内で全ての授業が終わるので、その気になれば物凄く休める事になっていた

期末テストなどは受けられないが、一回の定期テストがゼロ点なくらいでは留年などしない事を知っていた

別に日々サボろうとしたつもりはなく、実際サボれば連中が怒るので一日たりともサボらなかった

ただ「○日まで我慢すれば少なくとも卒業は出来る」という心の支えを作る為だった

そしてサボらなかったゆえに気付けばその○日はとっくに過ぎていた

親には大学受験に集中する為に学校を休むと告げて俺は高校生活終盤を捨てた

親はあっさりそれを許可した。俺が学校でイジられているのを薄々感じていたのかもしれない

連中は俺の家までには来なかった

単に学校から遠かったから行くのがめんどくさかったのかもしれないし、もっと根本的に「俺に会う=自分の大学・将来を考える」だからめんどくさかったのかもしれない

それから俺は俺だけの為に大学の受験手続きをして願書を書いて受験勉強をした

自分だけの為の作業と勉強をするのは新鮮でとても効率的な気がした

家に何もせずいるのは居心地が悪かったのでちょっとは真面目に勉強した

そしてまあ一流とは言わないが底辺高校にしては珍しいレベルの普通の大学に通った

卒業式の日だけには出席した

連中は俺を見つけて「大学の説明まだ聞いてないぞ」みたいな話をしてきたが、とっとと逃げてとっとと家に帰った


これだけでこの話は終わり

俺はその普通の大学を普通に卒業し普通に就職して今に至る

それっきり連中にも会っていないから後の事や今どうなってるかなんて知らない

ひょっとしたら連中の「大学聞いてないぞ」は単なる俺への嫌がらせで、俺がいなくても自分で全てを調べて自分の将来を選択し済だったのかもしれない

それとも卒業式でもう俺に会う機会がない事を悟り、心機一転どこかの二次試験なりを受けて合格したのかもしれない

或いは大学といわず高校でそのまま公務員だかに就職したのかもしれない

俺はただイジりに負けて高校生終盤を捨てただけのアホなのかもしれない

でもひょっとしたら思う

俺はひょっとしたら連中の高校で鍛えるべき人生への挑戦力を根こそぎ奪い続け、連中の卒業後の数年をちょっとだけ歪ませて或いはその後の人生をどうにかしたのかもしれない

個人的にはそうだったらいいなあと思うが今となっては確認する術はない