会社の先輩が死んだこと

残業時間ワースト1位~10位くらいに毎月ランク入りして、社内でもやばいと思われていた私よりも先に死ぬなんて考えもしなかった。

「この人は70ぐらいまで生きそうだな~」なんて思ってた。

新卒で入社して、基礎知識はあるけど仕事の流れも全然わからない私に手取り足取り仕事を教えてくれて職場でもよく話しかけてくれて、異性とはあまり話したことがなかった私でも話しかけやすくて、とてもいい人だった。

1月の研修では笑顔で今年の目標を語り、翌週先輩のいる支店に電話をかけたときも元気な声を聞かせてくれていたのに、その翌週には死んだなんて信じられなかった。

マネージャーから電話で「非常に言いにくいことなんだけれども、〇〇さんって前一緒に働いてたよね?…先週の土曜日に病気で亡くなりました」って伝えられた時も驚きすぎて「えっ?」を連発したし、質の悪い冗談かなにかだと思った。

お通夜に参加してようやく先輩は死んだんだ、って理解したけど納得はできなくて、心のどこかで「死んで生き返ったとかあの先輩ならありそう!」なんて考えてた。


そして、3日ぐらい前に先輩がタヒぬ直前まで働いていた工場へヘルプで行ったのだけど、そこで先輩にそっくりな人が先輩が働いてた部署にいた。

あまりにぽっちゃり具合や背丈がそっくりなんで思わずまじまじと見てしまった。

「やっぱり!先輩は死んでなかった!生きてるじゃん!」なんて思ったのもつかの間で、その人と少しだけお話したのだけど、全然違った。当たり前だけど。

顔も全然違うし、声の高さが1~2オクターブぐらい違う。

そこで初めてようやく「先輩はもういないんだ」と気づいた。

自分の頭が幼稚すぎたことが衝撃的だった