少し前の話

旦那の転勤に付き添って、某都市の会社借り上げのマンションに住み始めた頃のこと

昼食とってたら、玄関のインターホンが押されてドアを叩く音が聞こえた

そのマンションはオートロックの入り口だから、いきなり玄関のインターホン押されることはまず無かったから驚いた

一応応答してみたら、「○子だろ?ちょっと開けてくれよ、××だよ」と男性の声で言われた

私は○子という名ではない

不審なのでマンションのフロントに電話しようと思ったけど、引っ越ししたばかりで連絡先をどこに書いておいたか思いだせない

ドアを叩く音は続くし、「警察に通報?」と思って意を決して電話しようとした時、外から「あらー○田さんのご主人じゃない、あははー久しぶり」と声が聞こえた

ドアスコープを覗いてみると、知らない男性と買い物袋抱えたお隣さんの奥様(わりとご高齢のおば様)が話してる

チェーンしたまま玄関を開けてみると、男性は私の顔を見て「あれ・・・」と呆然としてる

お隣さんは笑いながら、「この人ねーお宅の前の前に住んでた○田さんちのご主人なのよ、いやーまあお互い歳取ったわねー」なんて言って、

それから「いいご夫婦に見えたけどね、このご主人がねー××町のお水の若い子と出来ちゃってねー奥さんと子供二人置いてお金持って突然出て行っちゃってねー奥さん子供養うのに転職するって言って、うちが時々夕方に子供預かったのよーああ懐かしいわー」と言うと、

旦那さんだと言う男性に「だからもう一家はとっくに引っ越したわけよ、この人は無関係」と厳しい声で言った

男性が「じゃ引っ越し先は?」と訊くと、

「奥さん言わなかったし、訊かなかったわ、あんたが知らないこと私が知りますか」とお隣さんはにべもなく言い、

男性が玄関先でずっとボンヤリしてるので、「下のフロントで電話しないで誰かにくっついてとかで扉突破してきましたよね。警備に電話しますよ」と私が言ったら、

「夢が終わって、住んでた家はもう無くなってて、誰も待ってなくて、なんか浦島太郎みたいだ」と謎のポエム?をつぶやき、男性は階下に降りて行った


お隣のおば様はちょっとグイグイ個人情報聞いてくるタイプでそれまでちょっと嫌厭してたけど、その事件のお礼を言ったのをきっかけにわりと仲良くなり、夫の転勤の終了まで楽しく暮らした

ちなみに○田家の連絡先は知ってだけど、「別に教える必要もないと思った」としらばっくれてたそうだ

「ご主人来たわよ」とお隣さんが連絡してあげたら、一家三人で爆笑してたそうだ

何でも「俺の本当に本当の運命の女」とお水の子を家族に紹介してたそうで、「運命はどこ行ったのよー」と大うけだったとか