当時百貨店の中にあるブランドで働いてたんだけど、困った上客が居た。

端的に言うと「金ならいくらでも出してやるから、言うことは何でも聞け!」ってタイプ。

例えば在庫が無く納期2ヶ月の商品を「倍額出すから半月で用意しろ!無理?なら4倍出すから絶対に半月で!」とか。

どんなに金を積まれようが、時間が無いとどうしようもないと何度もお断りしてたら、担当の外商員(コイツもクソ)がしゃしゃり出て来て威圧的な態度に出る。

最終的に店頭のスタッフでどうにか出来る状態じゃなくなって、本社の方が直々にお断りの電話をして収まった。

…と思いきや、暫くしてその商品が入荷したらわざわざご来店されて嫌味を言われた。

「私がどんなにお願いしても無理だったのに、時間さえあれば誰でも手に入れられるのね。」

当たり前だろ馬鹿。

長くなったけどここまでが前置き。


その店頭に現れた時のファッションが原色×個性的なデザイン×派手柄みたいな、見るからに成金!なファッション。

ウチで扱ってる商品は若い子向けのフェミニンでシンプルなデザインが多かったので、どう考えても合わない。

そしてこの上客だけに限らず、偉そうな金持ちはほぼ全てと言っていい程こんな感じでセンスが独特。

そして外商カードのランクは良くて中。大体は下。

『何故成金は揃いも揃ってセンスが悪いのか?』

長年の疑問だったけど、この前病院の待合室で解けた。

待ち時間の暇潰しに金持ちマダム向け雑誌をパラパラとめくってたら、あるページにはスーパーモデルがランウェイで着てそうな個性的なデザインの服が

別のページにはシンプルだけど高そうな鍔広の帽子に白ブラウス、小さなダイヤがびっしり並んだ蛇の指輪を付けた外国人モデルの写真が掲載されていた。

多分成金って「引く」事を知らないんだと思う。

とにかく足せば良いと思ってるんじゃないか。

あのページの服に、あのページの帽子と指輪合わせちゃえ!欲しいものがあるけど長い事待たなきゃいけないのは嫌!金積んで解決するわ!みたいな。


--後日投稿--

件の成金、同年代の女の子数人連れて店頭に来る事もあったんだけど、それがどう見ても「友達」って感じじゃなかった。取り巻きとか太鼓持ちとかそんな感じ。

成金が金持ち自慢→取り巻き「すごーい!流石~!」みたいな。

取り巻き達も隙あらばおこぼれに与ろうって魂胆が見え見え。

実際機嫌が良いと1ヶ月の家賃位の金額をポンと奢る事もあったし。

お金を撒かないと交友関係すら築けない、でもそれで寄って来るのは卑しい人ばかり。

どんなにお金を掛けても、元の魅力が0だったりスッカスカのマイナス状態じゃプラスには決してならないというのは皮肉な話だね。

ちなみに超大金持ち(外商ランクかなり上。基本的にこのレベルの人は店頭に行って買い物なんてしない)の方を店頭で接客する機会が1度だけあったけど、後日外商員から電話が掛かって来るまで金持ちだとは分からなかった。